雨宮敬子さま
61歳 女性 元小学校教師

今から4年も前になるのでしょうか。私は小学校の教師として、バリバリ働いていました。子供のために・・・なんて格好よいことをいって、自分の年齢も顧みずに・・・。

以前から右肩にじわじわと痛みを感じていましたが、「たいしたことはない、すぐによくなるだろう。時間がないし・・・。」と、放っておいたのです。そうしたら、ある時、しびれるような激痛が襲い、腕が動かなくなり、顔を洗うのも寝返りを打つこともできず、車の運転にも支障を来しました。最も困ったのは、黒板に字を書くことができなくなったことです。我慢できず、その日の午後早退し、病院で診ていただくことにしました。

ところが、丁度木曜日で、どこの病院も午後は休診でした。「どうしよう。放っておいたから天罰かなぁ。」左手でハンドルを扱いながら車でうろうろしていましたところ、「絹が丘接骨院」の看板を見つけ、飛び込みました。

受付で問診票に記入もできず、署名すらできなかったことを今でも覚えています。石井先生の問診を受けながら、整体、指圧、気功などで応急処置をしていただき、土曜日の鍼の予約をしてその日は帰りました。不思議なことにたった1回で、右腕の動きが楽になり、痛みも少し和らいでいました。そこに運命的な何かを感じたのでした。

そんな経緯で鍼治療に出会いました。あれ程辛かった右腕の痛みは、鍼の回を重ねるごとにいつの間にか消えて無くなりました。が、継続することの大切さは常日頃から身にしみて感じていますので、合間に整体、光線、電気治療を加えて、月に2回の割で今も尚続けています。

「どこか気になるところはありますか?」治療を始める前の先生のご質問です。「困る程ではありませんが、強いて言えば左膝がちょっと痛いです。」60歳を過ぎ、定年退職した今でも、そんな状態です。本当に痛み知らずで、第二の人生をゆっくり歩んでいます。

まだ現役であった頃、「60歳を過ぎてからどう活きるかが肝心なのだから、今のこうしたケアがものを言うのだから・・・。」と、鍼をうちながら先生が話してくださいました。若いときはいくらでも無理が利くが、年を取ってからそのつけが回ってくる・・・ということなのでしょう。私もあの右腕が動かなくなった出来事は、体からの信号であったと今思うのです。そんなときに、石井先生の鍼治療を受けられたことはまさに運命的な出会いでした。

実は痛みに耐えきれずに一度だけ整形外科で注射を打ってもらったことがありました。驚くほどその注射は効き、痛みがさっと消失しました。が、翌日はまたぶり返したのです。その時、即効性の薬の怖さを痛感しました。私は生まれながらにして両親から健康な体を授けられています。病気をしたことが無く、薬も殆ど飲まずに生活しています。ですから、たった一本の注射は、私の体の中で異常に反応したのだと思います。

それと異なり、鍼治療は、目の前の痛みから解放するだけではなく、遠い将来を見通して総合的に体質の改善を行いつつ生きる力を育てていく治療方法なのです。この部分が最も信頼できるところです。これは小さな子供を育てる小学校教育の原点にも通じて、私は大いに興味を持ちました。

治療を受けながらの先生との対話も効果を引き出していました。大きな病院ではない時間的なゆとりと和やかな対話。明るい・エネルギー溢れる対応、そして何といっても清潔感溢れる院内・・・これらが総合的に作用して大きな効果を上げているではないかと考えています。

これからもできるだけ長く今の状態を維持できるようにと願いつつ、鍼治療を受けていこうと思っています。